第52章 forgery
「獄門疆!!持っているのか!!あの忌み物を!!」
「漏瑚…興奮するな。暑くなる…」
ファミレスのバイト店員の男は1人で広いテーブル席に佇んでいる男の方を見てからというもの、さっきから震えが止まらない。
俺は…今からバイトをバックれる。
昔から責任感は強い方だった。
給料も全部4人の義妹を大学に通わせるために貯金してる。
そんな俺でも抗えない生存本能…!
…あのテーブルに近づけば……死ぬ!!!
「五番全然注文しねぇな?1人でテーブル席だしぃ。誰か急かしてこいよ。」
「すみません店長っ!!俺辞めます!!」
「えっ、はぁあ?!おいっちょっと待てよっ!」
振り向きもせずに一目散に店を出てってしまった全く理解のできない事態に困惑する。
「あ、店長、私行きます?」
「はぁー…もーいいよ。俺行くわ。
つーか、冷房付いてるよな?あっつすぎ…はぁ…」
汗を滲ませながらもその席へと向かい、作り笑いを浮かべる。
「…あの、お客様。ご注文はお決まりで…ー」
ボワっっ!!!
「「きゃぁぁぁ!!!!」」
黒焦げになった店長に悲鳴をあげ始める周囲。
「はぁ…あまり騒ぎを起こさないでほしいな…」
「ふん、これでいいだろう?」
漏瑚が指を鳴らすと、その店にいた全員が一瞬で焼き尽くされた。
夏油は咳をしながら手を扇ぐ。
「ケホッ…高い店にしなくてよかったよほんっと…」
「夏油、儂は宿儺の指何本分の強さだ?」
「…甘く見積って8.9本分ってとこかな。」
「じゅうぶん。獄門疆を儂にくれ!蒐集に加える!
その代わり!!五条悟は儂が殺す!!」