第52章 forgery
とある日…
とあるファミレスに入る奇妙な一派。
「いらっしゃいませー!
1名様のご案内で宜しいでしょうか?」
「はい。1名です。」
にこやかに言うハーフアップの黒髪の男は自ら選んだ広い席へ1人で座る。
しかし実際は非術士には見えない特級呪霊たちも座っている。
「つまり君たちのボスは、今の人間と呪いの立場を逆転させたいと…そういうわけだね?」
「…少し、違う。」
火山頭の特級、漏瑚は不機嫌そうに言い放った。
「人間は嘘でできている。表に出る正の感情や行動には必ず裏がある。
だか負の感情…憎悪や殺意などは偽りのない真実だ。そこから生まれ落ちた我々呪いこそ、真に純粋な"本当の人間"なのだ!」
「んー……現状だと、消されるのは君たちだ。」
「だから夏油っ貴様に聞いているのだ!我々はどうすれば呪術師に勝てる?!」
「戦争の前に、2つ条件を満たせば勝てるよ。」
夏油は余裕そうな笑みで喋り出す。
「五条悟を戦闘不能にし、両面宿儺・虎杖悠仁を仲間に引き込む。」
「……五条悟は現代最強の呪術師だ。やはり我々が束になっても殺せんか?」
「ヒラヒラ逃げられるか、最悪君たち全員祓われる。殺すより、"封印"するに心血を注ぐことをオススメするよ。」
「封印??…その手だては?」
夏油は不気味に口角を上げて言った。
「特級呪物・獄門疆を使う。」
「!!!」
漏瑚の醸し出すオーラが一気に変わり、火山頭からは火の粉が噴き出した。