第52章 forgery
「クマぁ〜やっほー!!」
「クマちゃん、久しぶり。」
24時間営業のファミレスで合流した2人の女子を前に、クマは何食わぬ顔で朝食パンケーキプレートを食べる。
「今度の用はなんだ。ムシャムシャ」
「わ〜マジかわいいわぁ!」
そう言ってパシャパシャ写メを撮る。
「菜々子。ちゃんと話をして。」
「そうだけどぉ…美々子も話してよ」
「…わかってる。」
コソコソとやり取りを交わした後、今度は神妙な面持ちでクマに向き直る。
「あのね…夏油様の…ていうか…
"アイツ"のことなんだけど…」
クマはピクリと耳を動かし、ゴクリとパンケーキを飲み込んでから言った。
「はー…おいらぶっちゃけ"ソイツ"を信用するのはあまりにも危険すぎると思ってる。多分いつか殺られるぞお前ら。」
「ん…そしたらクマが守ってくれるでしょ?」
「そんな約束は交わせねぇ。言ったろ。おいら誰の味方でもねぇ。だからこそこーしてお前らとも遊んでやってんじゃねぇか。こないだなんか洗濯機壊れただけで呼びつけやがって。」
「あれは本気で困ってたんだもんー!美々子が変なもの入れるから!」
「は?あれは菜々子が服をぶち込み過ぎたからでしょ」
クマはイラつきながら2人のやり取りを睨みつける。