第51章 Infinity ■
それは、あまりにも想像とかけ離れている
というか、
あまりにも実物と違すぎる、
ただの"茶色"の丸に、黒の目と鼻と口のようなものがかろうじて分かるような…
まぁいわゆる、
よく分からない落書き並みの絵?だった。
「てんめぇ…ふざけてんのかァ?!
これがおいらだあ?!兄ちゃんをバカにしてるだろ!」
「ま、待ってよ、クマっ。
きっとこれは本当に真剣に描いたんだと思うよ」
「……なんだと?」
クマが汚いものを見るような目をレイに向けたのと同時に、いつの間にか五条が帰宅していた。
「なぁに騒いでんの〜?
んー?何描いて……??…ん?これなあに?」
「悟……これは…その…ウサが描いた…えっと…」
「んんー?」
レイの言葉に、五条は目隠しを取りながら紙を手に取り顎に手を当てた。
「……もしかして……クマ??」
「てめっ…なんでそうなるんだよ!」
「ははははは!うさぴょんよくできたねぇ?
うんうんよくできまちた♡ちゃんとお兄ちゃん描けてるよ?そっくり〜!
あーそれにしてもうさぴょんはかわいーね?♡
はいっおかえりのチューしてくれる?♡」
そう言ってウサギを抱えあげる五条に
クマは完全にブチ切れてしまった。
自分の愛らしい容姿を貶されるようなことが、クマにとっては1番許せないことらしい。
青い炎を滾らせ、目を三日月型にし始めた。
「…てん…めぇえええ!!!!」
「ね〜うさぴょん♡パパにちゅ〜はぁ〜?」
「…ちゅ」
「ひぁぁああーーー!!♡♡」
五条はクマを完全無視している。