第51章 Infinity ■
ウサギが何も言わずに愛らしい顔のままレイの傷口に手を当てた。
「え」
ほんの少しずつ、その傷は塞がっていった。
「う…そ……」
ウサギにはどうやら硝子と同じような
反転術式に似た治癒能力まであるようだ。
クマが冷静に喋りだした。
「まとめると、こーゆーことか。
うさ公は、攻撃力に関してはほぼゼロ。
だが、透視能力、無下限呪力、少し先の未来予知能力
そして治癒能力…。」
この4つがウサギの能力なのだということがわかった。
戦う。ということができなくても
これはかなりの武器。
かなりすごいことだ。
そう思いながらレイは嬉しくなった。
「悟はどう思うかな?」
喜ぶかな?
それとも攻撃力がなくて少し落胆?
いや…それはないか…。
だってあんなにウサギはなにも出来なくていいとか連呼していたし。
全ての呪霊を、クマとレイで祓い終わったあと、伊地知の車でスーパーまで送ってもらい、買い物をしてから帰宅した。