第51章 Infinity ■
伊地知の運転で着いた場所は、廃マンションだった。
五条は自分も行きたいと駄々を捏ねていたが、
夜蛾に別の仕事を任されていたため、しぶしぶ観念していた。
"うさぴょんに傷1つ付けないでよ!"
と何度も念を押されたわけだが。
ウサギはクマ同様、
空間浮遊能力は初めから会得されていたようだ。
先行くクマの後ろをのろのろと浮遊してついていっている。
マンションなので、たくさんの部屋扉がある。
どこに呪霊がいるのか?
レイとクマは気配で察することができるのだが、ウサギはどうなのか。
レイはとりあえず、あえてクイズ感覚でウサギに聞いてみることにした。
「うさ。どの部屋に呪霊がいると思う〜?」
ウサギは暫し沈思しながら各扉に視線を走らせた。
「……この階だと…
203に2体、207に一体、211に2体…215に…」
「ちょちょちょっとまって!!っえぇ?!」
「マジかよ」
レイもクマも目を丸くする。
ウサギは、まさかの透視能力が備わっていた。
扉の向こう、壁の向こう、天井の向こう、
全ての物体を見透かすことができるようだ。
ならば攻撃力などはどうなのだろうか。
とりあえずそれも試してみる以外にない。