第50章 promise ■
「な、なに?びっくりしたっ」
五条は濡れた口をそのままにベッドから出てテーブルの上に何かを置き、レイに手招きした。
レイは訝しげにそこへ行き、テーブルに置いてあるその紙に目を見張った。
婚姻届…
しかも「証人」の欄には、自分の親の名前と、五条の親の名前がきちんと書かれていた。
「早くサインして。」
「え、今?」
「うん、今。
気が変わらないうちにね。」
ニヤリと笑われ、
途端に恥ずかしさが込み上げる。
ペンを渡され、レイは既に書かれている彼の名前の隣に、おずおずと自分の名前を書いていく。
気恥しさと嬉しさで胸がいっぱいになった。
「よーし」
五条は満足気に口角を上げてレイを抱き上げ、またベッドに組み敷いた。
「やっと完全に僕の夢が叶った。」
長かった……
諦めなくってよかったよ。ほんっと…
そう言って唇を重ね、バスローブを脱がしていく。
「はぁ…なんだかすごい久しぶり…
バスローブ脱がせるこの感じ……ふふっ」
「うんっ…」
離れていた分を一気に注ぎ込むように、深く濃密なキスを交わし、肌を重ねる。
「…は…やっと抱ける…
我慢しすぎてて…マジで死ぬかと思ってた…」
「ん…っ…え……」
悟は私に会うまでずっと禁欲生活してたんだろうか?
「えって何?まさか浮気とか疑った?」
「ちがっ、そうじゃなくて…」
「もちろん1人でもしてないよ?
僕そーゆー虚しいことしないの知ってるでしょ?
あ、もしかしてレイはけっこー1人でしちゃってた感じですかー?」
「んなっ?!してないよ!!」
「そ?じゃー溜まってるね?」
「んぁっ…っ!」
耳に舌を這わせ、下着の中に手を入れてくる五条。
自分でもわかるくらいにそこは濡れていた。
「ん〜…はは……もうぐっちょぐちょ…
すっげ興奮する…ヤバい……」
五条の声が聞いたことないくらいに苦しそうで、それが色っぽくて、その情欲を孕んだ熱と与えられる快感に耐えるのに必死だった。