第50章 promise ■
「僕と結婚して、永遠の僕のお姫様になって。」
握られている左手に、ギュッと力が入り、
そして無意識にレイも強く握り返していた。
いつも以上の満面の笑みで頷く。
「はい。…なります」
スっと嵌められた指輪。
その薬指にゆっくりとキスが落とされた。
口付けをしたまま上目遣いの五条と目が合う。
「一生幸せにするね。レイ。」
「違うよ…悟…」
「えっ!?僕プロポーズの仕方間違えた?」
一気に困惑の表情になる五条に、レイは真剣に言った。
「ちょっと間違えてる…」
「え……」
「悟は…今までずっとずっと、私の幸せしか考えてこなかった。悟自身の幸せは、考えてこなかったでしょ…」
五条は目を見開いたまま固まっている。
そんな五条の手をとり、レイは言った。
「今度は私が…悟を幸せにする番。」
「…… レイ…」
「私が一生幸せにする。悟を。」
五条の瞳がみるみる潤み出す。
「私はずっとずっと、じゅうぶん幸せだよ。
今だって、死ぬほど幸せ…。」
にっこり笑うレイを引き寄せて抱きしめる。
心の底から幸福だと思えた。
今日という日のために、自分は生まれ、
生きてきたんじゃないかとすら思えた。
「僕も幸せ…すぎて…具合悪くなりそ…」
「えっ!大丈夫?!」
本気で驚いて体を離したレイの顎を掬って唇にキスを落とし、そして涙をこらえた。