第50章 promise ■
「レイ…、僕と、結婚してくれない?」
「………へ………」
みるみる目を見開くレイを
五条が真剣に真っ直ぐと射抜く。
「僕は、一生をレイに捧げたい。
永遠に、僕の一番大切で一番愛してる人だってことを誓いたい。
死ぬ直前までずっと、世界で1番幸せだって感じたいし感じていてほしい。
だから僕と、結婚してください。」
瞬きをせず、ハッキリと言うその言葉と真剣な視線は、どこまでも真っ直ぐで、一瞬で心臓が撃ち抜かれたような衝動を覚えた。
胸が締め付けられて、痛いような、
切なくて、嬉しくて、でも…
なぜだか苦しくて…
溢れ出てきて止まないこのたくさんの感情に心が追いつかず、わけも分からないままそれが涙となって溢れてきた。
見開いたままの目から無意識にポロポロと水滴がこぼれ落ちていく。
「えー…そんなに泣かないでよ…
ちょっとぉー…ねぇ、返事聞かせてよ?」
困ったように笑う五条の表情は、
とめどなく溢れ出る涙でみるみる心配そうに歪んでいってしまう。
「うん…するっ……し、します…
なる…よ…悟のお姫様、にっ…」
なんとか喉の奥から言葉を紡ぎ出した。
安堵したように笑った五条が
ゆっくりとキスを落とす。
「はい。もうこれで完全に、僕のお姫様。」
「うん…っ…」
ずっとずっと、夢見てきたお姫様に…
何度も諦めたお姫様に、
今…この瞬間…
素敵な星空の下、素敵な教会の前で、
素敵な愛の言葉をもらって…
私はなることができたんだ。
さようなら。
今までの、
弱い私。