第50章 promise ■
「誕生日おめでとう、レイ。」
レイは目を見開いた。
すっかり忘れてしまっていた。
そんなアホすぎる自分はさておき、だから彼は自分を海外にまで連れ出したのかと理解する。
そして、クマと九十九がわざと上海滞在を1日延長したのだということも理解した。
何も言えなくなっているレイに、五条は手を取って静かに言った。
「ねぇ、今から僕の言う言葉、よく聞いて」
「………うん…」
真夜中なはずなのに、こんなにも明るい。
自分たちの周りを360度、ものすごい輝きを放つ満天の星が囲んでいる。
まるで自分たち2人だけが世界から切り取られたような、
今この幻想的で神秘的な空間は自分たちだけのためにあるような、そんな都合の良い錯覚まで感じてしまう。
「僕のお姫様になってくれる?」
「…え…?…もうなってるつもりだよ?」
「違うよ。
永遠の、本当の、お姫様だよ。レイ。」
驚いたような表情になって口を開いていくレイに五条は呆れたように笑ったあと、しばらく沈黙し、そして真剣な表情でゆっくりと声を出した。