第50章 promise ■
幸せになりたいと、お姫様のようになりたいと、
そう願い続けて生きてきたくせに、
心のどこかではそれを諦めていた。
何度も挫けた。
途中で何度も絶望を感じていた。
こんな自分に。何度も…。
でもたった1人、
出会った頃からずっと
諦めないでいてくれた人がいた。
そう…その人は…
何があっても
何度も何度も立ち向かい、閉じ込められていた私自身のお城から、私を救い出してくれた。
その人は私に、
抱えきれないほどの幸福と愛を与え
そして人生の夢を叶えてくれた。
あの時死ななくてよかったと、
今は心からそう思える。
生きているって、こんなにも素晴らしいのだと。
この人と一緒に生きているという事実が
自分にとってはかけがえのない幸福で、
きっと世界で1番幸せで…
だから、私は誓う。
次は、私が王子様を幸せにする。
私が、悟を、
世界で1番幸福にする。
目の前で優しく笑ってくれているこの人を、
私は人生をかけて、
幸せにする。
いつか死が私たちをわかつその瞬間まで、
私はあなたに幸せだと感じさせるために生まれてきたんだ。
あぁ、
そうか……
本当の意味で私は今、
100年の眠りから醒めたのかもしれない。