第50章 promise ■
言葉を失い、息を飲み、目が離せなくなっていた。
写真を撮るのさえ忘れて
ただ目を見開いて立ち尽くしていた。
こんな世界があったのだと…
今目の前の信じられない光景が夢なのではないかとさえ思えてきてしまった。
無意識に、互いの握り合う手に力が入る。
言葉では言い表せないその甘美で幻想的な光景に、レイは無意識に涙がこぼれ落ちていた。
しばらくして、オーロラは消えていった。
奇跡的なその姿を見せてくれたのは数分いや数十秒だったかもしれない。
けれどその間、2人とも一瞬たりとも瞬きができないでいた。
そして、五条がゆっくりと口を開いた。
「ねぇ、レイ。」
レイは涙を流しながら五条の方を向く。
彼の星の瞬きで揺れる蒼眼はいつも以上に煌々とした輝きを纏って真っ直ぐこちらを見つめている。
背景が、まるで彼と一体化しているようにさえ思えるほど、その姿は幻想的に瞳に映り込んでいた。
「ここは日本より3時間進んでんの。知ってた?」
「……え?そうなんだ。知らなかった」
「今は21時回ったとこ。
てことは、向こうは0時。次の日になったよ」
「うん…?」
レイが首を傾げていると、
五条は目を細めてうっすら笑った。