第8章 unexpected
子供たちの両親は何度も何度も頭を下げてきた。
あまりに感謝されすぎると、どことなく居心地が悪くなってしまう。
「もう危険な場所で隠れんぼはやめてね?」
「「うん!」」
レイはクマの手を掴んでその手で3人の頭をよしよしと撫でていった。
「ありがとうくまさん!またね!!」
そう言って子供たちは順番にクマに抱きついていく。
クマは不機嫌そうに黙ってそれを受け入れていた。
「ばいばーーい!!」
「また遊ぼーねくまさーん!」
そう笑顔で去っていく子供たちに、レイが無理矢理クマの手を取って大きく振る。
「また遊ぼうね、だとよプー助!
よかったな、お友達ができて!」
「るせぇわ!人間のガキと遊ぶのはもうごめんだ!」
親が来るまでの間、なんだかんだ言ってクマは子供たちと遊んであげていた。
その光景が微笑ましすぎて、レイはますますクマの存在を愛おしく感じてしまった。
「はぁ…んなことよりやべぇな…
傑にドヤされるなこりゃ…」
レイには傷一つ付けないと言っておきながら…
彼女の手には血が滲んでいる。
「はっ、だな。傑に殺されるかもなお前。」
笑いをこらえているクマを睨みつけながらも、五条はため息を零さずにはいられなかった。