第50章 promise ■
ゆっくりと離れていき、
うっすら目を開くと、耐えるようにして苦しそうな表情をした五条が見下ろしていた。
予想外のその顔に鼓動が跳ねる。
「ずっと我慢してた…」
「悟…」
「ずっとずっと……
おかしくなるんじゃないかってくらい…
夢の中でも僕は…レイを求めてたよ」
囁くようにそう言い、最後には自嘲気味に笑った。
「それでね、今回のことで初めて知ったことがあってさ」
「…なに?」
「レイが過去を引き摺る、その気持ち。」
その言葉に、ハッと目を見開く。
「そりゃあ引き摺るよね…
こんなにこんなに愛してて大好きなんだもん。
毎日一緒にいたのにさ…
僕でも死にたくなったくらいだ。
なのにレイは…むしろ強いよ、僕なんかより。」
「悟それは違うよ?」
そう。絶対に違う。
私がなんとか立ち直れたのも、
毎日を今、こうして幸せに生きれてるのも…
「全部全部、悟が助けてくれたから。
私の今があるのは、全部悟のおかげだから。」
1番強いのは、
やっぱり五条悟だ。
昔も、そして今も。
「っ!…… レイ……っ…」
自分から五条の顔を引き寄せてキスをする。
舌を入れ、離れていたぶんの情欲を注ぎ込んだ。
一瞬驚いていた五条だが、
ゆっくりと腰と頭に手を回し、深くまで追い求める。
ようやくここで初めて、
安堵というものが実感できた気がした。
きっとこの先、二人でいる限りは
心の底から安心できることなんてないだろうけど。
それでも今は…。