第50章 promise ■
「てゆーかさ…」
「?」
五条は突然苦しげに目を逸らした。
「…自信が無いのは、僕の方だよ」
「え…?」
「いつだって僕は…自信が無い。
あるフリを…し続けてるだけ。」
「…悟…」
こんなに弱々しい悟…見たことない。
自信が無いって…
なんだろう。
「昔はね、僕はなんにも怖くなかった。
でも…大事なものができて、強くなったぶん、逆に弱くもなった。怖いんだ。負けることとか失うこととか…。」
その言葉に、ギュッと胸が締め付けられ
どこか痛みが帯び始めた。
苦しいくらいにその気持ちがわかると思った。
「とにかくさ、デリカシーのないこととか言ったり、ペンダント消したことも、反省してる…つもり…。ごめん」
「もういいよ、謝らないで」
「うん…でも僕本気で今回は終わったかと思った…
はぁ…ホッとしすぎて死にそう」
そう言って胸を撫で下ろすように深く深呼吸し、仰向けに寝る五条。
レイは本気で申し訳なくなってしまったが、突然の今現在の状況にもまだ困惑している。
「ねぇ、悟…
それよりホントにどこ行くの?
仕事とかはっ…」
「世界で1番綺麗な星が見えるとこ♡
仕事とか任務とかは皆喜んで引き受けてくれたよ♡
なんたって特別な日なんだから」
「え、どゆこと?」
あの時クマも九十九由基も、突然の五条の登場に驚いてはいなかった。
むしろ、楽しんで!とか言って送り出してくれた。
もしかして…
みんな、初めから知って…
「もういいじゃん。それより外見なよ。
綺麗だよ。空。」
そう言われて窓の外を見ると、晴れ渡る真っ青の空。
雲と共に飛んでいる感覚。
まるで、自分も空になった気分だった。
「悟の目の色だ…」
そう静かに呟いた。