第50章 promise ■
九十九は突然レイの手を握った。
レイは驚きすぎて呼吸を止めてしまった。
「夏油くんのことは…全て私の責任だ。」
「?!」
何を言っているんだろう、この人は……
目を見開いたまま黙っていると、九十九はそのまま真剣な面持ちで続けた。
「私が彼に会ったあの日…まさかあれが最初で最後だとは思わなかったけれど、あの日私は、彼をけしかけてしまうようなことを言ってしまったんだ。」
「…………え………」
その後の九十九の話にレイは顔面蒼白になる。
「…君が自分をひたすら責めているとクマに聞いてから…どうしても言わなくてはと思っていたんだが……すまない。それを君に告げる勇気が私には…なかった。
ようやく今回ふっきれたのは、君には嘘がつけないと…そう私の本能が判断したからでね……」
一瞬、思考が停止した。