第8章 unexpected
「ダメだよ待って!闇雲にやると子供が巻き込まれる!」
「あ?死にはしねーだろ。」
「怪我を負わせてしまうのも絶対だめ!」
「はっ、甘いなレイ。
そもそもこの場合、多少の犠牲はやむを得ん。」
しかし言い合いをしている余裕はない。
レイは呪霊を引きつけるためにわざと挑発するような攻撃を仕掛け始めた。
呪霊とレイの2つの攻撃が火花を散らしながらクマに飛んでくるが、クマはそれを欠伸をしながらいとも簡単に交わしている。
「クマっ!早くあの子たちにバリアをっ」
「もうやってるよ」
「じゃあ早く安全な場所へっ!…うぅっ!!」
「レイ?!」
やはり1級呪霊にはなかなか思うようにいかず、みぞおちに攻撃が当たり、レイがよろめいた。
そのとき、
「お〜また〜ん!
ちっさいのぜーんぶ片付けてきたよん!
あれぇ?!やっぱ1級ここにいたの〜?!」
「いいからてめぇはとっととそいつを払えよ!」
クマによって子供たちは守られている。
それを確認したあと、五条はサングラスを取り六眼を発動させた。
「んんー。本体はまだいるね…そっちか…」
そう前を向いて呟いたまま、手を横に翳した。
ガラス窓が割れ、横から出てきた新たな呪霊をそのまま手で払い除ける。
しかし、もう一体と応戦しているレイの方へその残骸が向かっていった。