第49章 roaring
ー五条sideー
「そういえば君は浮気をしていたそうじゃないか」
「っ…だからそれは誤解で…。ちゃんと説明したいんですよ。なので返してください。」
「そう言われてもね…。いかんせん彼女は私といることをとても気に入っているようでね。今日も笑顔が絶えなかったよ。本当に可愛くて滾ってくるね。ちなみに今日はアクアリウムに行ったんだけど……ペラペラ」
「はぁ…もういいです。
やっぱり今から行って自分で直接撤回してくる」
「おっと、通さないよ。」
「なんだって…っ」
冥冥の三日月型に弧を描く目と、ニヤリと口角を上げた口元を見つめながら五条は目隠しをとった。
鋭い蒼眼と細まる黒目がぶつかり合う。
「……なるほど、冥さん。
手加減はしませんから。」
「いいだろう。ではこちらも全身全霊で応えてあげよう…」
冥冥の周りに、彼女の術式のカラスが集まり始めた。