第49章 roaring
「うおお!レイさんいつの間に髪切ったの〜?」
「かわいい〜似合ってますよ〜」
虎杖と釘崎に褒められ、僅かに顔が赤くなる。
「さっき美容院行ってきたばっかなんだ。ちょっとだけ内側も染めてみたんだけどどうかなー?」
「うんっいいいい!あれ?てことは、五条先生にはまだ見せてないってこと〜?」
「っ!…あ、うん。」
「俺、呼んでこよっか?」
「いいいい!大丈夫だよ!
それよりはいっ!差し入れ。みんなで食べて」
「おっ!やったあ!レイさんやっぱセンスいい〜♪」
「あっ、私レイさんにこれ返さなきゃだったんだ。ありがとうございました」
釘崎が律儀に渡してきたハンカチを受け取りながら、なんとか笑顔を作る。
悟に会ったらどうしよう、
という不安の気持ちはさっきからずっとある。
会ったら何をどうすればいいか分からない。
神妙な面持ちで冥冥を見ると、彼女は口角を上げている。
「どうせどこかから見ているだろうね、彼は。」
「えっ…」
キョロキョロとするが、気配を隠すのが上手いのでわかるわけが無い。