第49章 roaring
なんとも妖艶な空間の中での食事。
そんな中、目の前に冥冥がいたら余計に絵になりすぎていてなんだか遊郭にでも来たみたいだ。
乾杯をしてから冥冥は早くも2杯目の酒を飲み干そうとしている。
「ところで、五条くんから連絡は来た?」
「まだ…来てません。」
「ふふっ、あぁ見えて気弱なんだねぇ、あの男は。
……やっぱり気になる?」
「っあ…まぁ、はい…気になるっていうか…
どうしたらいいかわからなくて…。
連絡しようにも…何を喋っていいのかわからないし…」
眉を下げ、目を逸らしながら口ごもるレイに、冥冥は明るく言った。
「まぁ気持ちは分かるよ。そうだ、気分転換に、髪型でも変えてみたらどうだい?すごく気分がスッキリするよ!運気がいい流れに変わったり、良い考えが浮かんできたり、とにかく前向きになれる。」
その言葉に、レイは目を丸くする。
「た、確かに!言われてみたら、最近伸ばしっぱなしで…これを機に少し切ろうかな。あとちょっとカラーを入れてみたり…」