第48章 hesitation
「僕だって突然なんの脈略もなく話されても困るよ。しかも、またあいつのことを出してきたし……」
"かつての親友には教わらなかったわけ?"
「あぁ。だからそういったところは、あいつの2割に当たる部分だ。」
「……あ。てか僕さっきペンダント消しちゃったわ…」
「なにぃぃぃ?!てめぇ何してくれてんだよバカか!!そしたら訂正だ!10割お前が悪い!」
「ついカッとなっちゃって。でもいつまでもあんなの持ってるなんて僕だって傷付くよ……しなくなったのはいいとしても結局また持ち出したりして。それってなんにも変わってないってことじゃん。」
「だがあれはあいつの宝物だ。傑だけじゃなくて棗との思い出でもある。いくら忘れようと努めても、鮮明に残っている記憶を完全に忘れられないのは人間誰しも仕方がないことだ。」
「それが嫌なんだよ!なんっで分かってくれないかなぁ」
「てめーの気持ちも分からなくはない。だがな、それを目の前で跡形もなく捻り潰すなんてのはさすがに行きすぎだろ。せめて許可をとって、"一緒に"やるべきだ。あれはお前のもんじゃねぇだろ。レイのものだ。」
「・・・」
やはり何も言えなくなってしまった。
徐々に頭がクリアになってくる。
自分の愚かさに情けなくなってくるが、自分だけが悪いとは思いたくないまるで子供のような素直になれない部分もあった。