第48章 hesitation
その瞬間からレイはバクバクと鼓動の音がうるさくなっていき、気付かれないように深呼吸する。
「たっだいまぁ〜!…ん?なんか大丈夫?」
「ぁあ、悟…おかえり。ごめんちょっと今日疲れててさ…ピザか何かを取るでもいいかな。」
そう言いながらピザのチラシをクマに渡す。
「うん、なんでもいいってか…疲れたのー?大丈夫ー?なんかほんっとーに疲れてそう〜かわいそうにぃ〜こっちにおいで?」
両手を広げてくる五条の腕を無言のまま掴んで椅子に座らせた。
五条はポカンとした表情をしたままレイを見つめる。
クマはさっそくスマホでピザを注文し始めている。
「……どーしたの?レイ。ホントに大丈夫ー?僕におかえりのチューできないほど疲れちゃってる感じー?」
「……うん。そう。」
「えぇ〜……」
心底ショックそうな落ち込んだ声を聞きながらも、レイはどういうふうに話を切り出そうか、必死に考えていた。
「…ねぇ、レイ。なにかあった?」
その言葉にドキッとなりながら押し黙る。
「ねぇってば…」
「・・・」