第48章 hesitation
なにも言わないレイを、五条は突然抱きかかえた。
「っわ!ちょっとなにすっ!やめっ!下ろして!」
「なんだ、元気じゃん。ハハッ」
そう言いながら広いソファーにストンと寝かせ、瞬時に起き上がろうとするレイの肩を押して覆い被さる。
「っ!ちょっと!いや!!」
「じゃあなにがあったか言いなよ」
真剣な声色で低く言われ、荒い呼吸を整えながらなるべく冷静な声で返す。
「だから疲れてるだけって言ったじゃん。」
「ならなんで目を見てくれないの」
「・・・」
「帰ってから今まで1度も目が合ってないんだけど」
「・・・」
確かにその通りで、ずっと目を逸らしたままだ。
今も…
だから五条がどういう顔をしているのかがわからない。