第48章 hesitation
「なにこれ?どゆこと?」
すると、いつの間にかクマが横からひょいっと赤の付箋が貼ってあるプリンをとりだした。
「これはな、赤が"今日中に食え"。黄が"はよ食え"。
青が"3日以内に食え"だ。」
「えっ、レイがやったの?」
「そーだ。増えっぱなしだからな。」
「んもぉ〜…こんなことまでしなくってもちゃんと食べるのにぃ。それに前より気をつけてるつもりなんだけどなぁ〜」
「ぜんっぜんそんなことねーと思うぞ?あんまあいつをキレさせんなよ。おいらだってめんどくせぇんだから。」
クマがプリンを頬張りながら真顔で言った。
「・・・」
なんだかこれって倦怠期?
変な感じがする。
「お前の行き過ぎた新しいもの好きも、あいつを不機嫌にしてる。今日だっておいら機嫌とるためにも旅行の話を提案したんだぞ?あ、旅行じゃなくってビジネスか。ふはっ。」
「なにっ。クマ野郎が誘ったのー?はぁ〜…」
「はぁ〜はこっちのセリフだ馬鹿野郎。」
「もぉーっ。これ食べて自分の機嫌直そっ。」
五条もクマと並び赤の付箋のついたティラミスを食べ始めた。
そして先程のことはすっかり忘れ、みるみる上機嫌になる。
「てめーは単純でいいな。」
クマのつぶやきはもう聞こえていなかった。