第48章 hesitation
「おっ!そーいやおいら来週、九十九由基と中国の上海あたりに行くんだが、一緒に行くか?あいつお前に会いたがってたぞ。」
「えぇっ?!」
何食わぬ顔で言われた突然の話に思わず大きな声が出る。
特級同士、会いたいということだろうか?
今はお互い任務帰りで五条も今夜は遅くなるというので、ファミレスで夕食をとっているところだ。
周りの客の目線がこちらにチラと向いた気がしたので急いで声量を落とす。
「な、何しに行くの?」
「まぁ偵察…という名の旅行…。中国のとある呪術師と情報交換っておまけもついてくるが。ほぼほぼただいつもの如くあいつが海外をプラプラしたいだけだな。」
「……なるほど…上海かぁ…行ってみたいけど、うーん、その人に会うのってほぼ初めてだから緊張しちゃうなぁ…」
夏油と1度高専で会っているのを見かけた。
彼が九十九と話しているのを見て、まさか浮気?と疑って拗ねたことを思い出す。
そして同時に、笑って否定し優しく頭を撫でられたことも思い出してしまい、急いで水をごくごく飲んだ。