第48章 hesitation
「ね、じゃーさー、旅行に行かない?
こないだはただ僕の用事で京都に行っただけだったし、次はちゃーんとしたやつ満喫しよーよ。」
あれも、思ってたより悟と過ごせて普通に楽しかったし、立派な旅行だったけどなぁ…と思いながら微笑む。
「良いけど…たとえばどこ?」
「ラスベガスとか?ハワイ?ドバイ?あ〜モルディブとかいんじゃない?」
いかにもセレブが行くような場所を提案され、唖然とする。
「ちょ、ちょっと待ってよ!海外はやめよ?
だって、呪術師万年人手不足なんだからいつ駆り出されるかわからないし、いくら誕生日だからってそんな」
「大丈夫だよ、3泊くらいならどーってことないって!」
「でででも全然わからないような国に行くのはちょっと…英語が通じるならまだしも…」
「あーじゃあ英語圏ならいいんだね?そしたらー…やっぱハワイ?でもちょっと捻りがないなぁ…ロンドン?バンクーバー?それか…」
「・・・」
やばい…このままこの人に任せていては真面目に大変なことになりそうだ。
どこに連れ回され、なにをどうされるか…
やっぱりこっちがなにか提案しないと……