第48章 hesitation
「ねぇ、もうすぐレイの誕生日じゃん?
どっか行きたいとこある?
したいことは?欲しいものは?食べたいものは?」
「えっ!…あぁ……」
言われて初めて気がついた。
あ、そっか。そういえばそうだった。
そもそも誕生日とはほぼ無縁で生きてきたから自分の誕生日自体を忘れていた。
七海にはこないだあんなふうに言っておきながらも、自分の誕生日なんてぶっちゃけかなりどうでもいいと思っている。
夏油からルビーのピアスを貰った時は、もちろん死ぬほど嬉しかったわけだが…
あらためて誕生日をどう過ごしたいかなど聞かれてしまうと、全く何も思いつかない。
「んー…とくに普段通りでいいよ?
欲しいものも食べたいものもないし。てゆーか、そもそもこないだあんなに高い財布も靴も買ってもらったわけだし何もしなくっていーよ。」
五条の膝の上で、心底どーでもいいような口振りでそう言う。
しかし…