第7章 rival of life■
「…さっきから何を書いてるの?」
「んー…お前らの絵〜」
「えぇ?!」
「デケェ声出すなや朝っぱらから」
「ごめっ…」
急いで自分の口を両手で覆い、クマが書いているものを覗き込む。
「え…っ。うそ…でしょ…」
クマは絵まで上手なのか…?!
まさしく天才だと思ってしまった。
脳内にコピー能力があるからだろうか。
そこにあるのはなんと、
レイと夏油が向き合って眠っている顔。
「お前ら寝てる間、暇だったから描いてた」
レイは息を飲んで目を見張った。
そこに描かれている自分たちは、なんとも幸せそうな寝顔で、本物が飛び出てきそうなくらいにリアルで精巧なデッサンだ。
「や、やばすぎ…」
「こんなのマジで朝飯前」
サラサラとあっという間に描き終わり、
ほらよ。と言って渡された。
「わぁ〜っ。ありがとう〜!」
目を輝かせてそれを手に取り喜ぶレイはもう、先程の会話や昨夜のことなど頭から離れてしまっていた。
ゆっくりと夏油の前に行き、絵をかざして見比べてみる。
「やっぱめちゃくちゃ似てるよ〜
てゆーか、まんま傑だよこれっ。」
なるべく静かな声でコソコソと言う。
クマはどうだと言わんばかりに鼻を鳴らした。