第7章 rival of life■
目覚めた瞬間、唖然とする。
目の前で目を閉じて眠っているのはどう見ても傑の顔だ。
悟の部屋にいたはずじゃ…?
懸命に思考を動かしながら上半身を起こすと、やはりここは夏油の部屋だと認識できた。
「よぉ、起きたかー?」
突然の声に、ビクッと肩を震わせ視線を走らせると、椅子に座って何かを書いているクマがいる。
「く、クマ…え?どうなっちゃってるの?」
「いつのまにかグラサン野郎の部屋で寝ちまってた。んで傑がここに運んだ。ちなみに今は5時。」
「っ!まだそんな時間っ…
クマはいつから起きてたの?」
するとクマはククククと笑った。
「ずーっと前から。レイとアイツがイチャついてたところらへんから」
その言葉でレイは一気に記憶を戻した。
心臓がバクバク波打ち思わず夏油を見る。
彼はすやすやと寝息を立てていてホッと胸を撫で下ろした。
ゆっくりとベッドから這い出てクマの元へ行く。
「お願いクマ。傑には黙ってて…」
声を殺してコソコソ言うと、クマは呆れ声を出した。
「は、なんでや」
「ななんでもだよっ!
ね?またいちごミルク買ってあげるからっ」
「その条件はもう傑と交わしてるから却下〜。
そんなにいちごミルク飲めねーし〜」
「えっええっ?なにそれ、なんの約束したの?」
「それは秘密」
「なんでよ気になるじゃん!」
「じゃーおいらもレイの情報をバラしてもいいってのか?」
「……うう……」
何も言えなくなったレイにフンと鼻を鳴らしてから、クマはまた机に向かってペンを走らせ始めた。