第47章 determination ■
レイは原宿を出て、銀座へ来ていた。
今日履いている靴も、あの時銀座で五条が買ってくれたルブタンのもの。
「安物買うな、みたいなこと言われたわけだし、やっぱ原宿では服買えないよね…」
原宿の服は可愛いけど安い。
私はしっかり悟に見合う女にならなくてはダメ?
…な気がしてとりあえず彼のお気に入りの地であるザギンに来るしか思い当たらなかった。
「……おいらこーゆー街嫌い〜
食べ歩きできねーじゃんか〜」
「…あぁ、ごめんね、でも私も別に好きではないよ」
ブーブーつまらなそうに頬を膨らめているクマはレイのバッグから顔を出している。
そんなクマを道行く人達は不思議そうな顔をしながらチラチラ見ていくのが分かる。
先程の原宿や渋谷の人とは違って、この街にいる人たちは服装も雰囲気も歩き方もなにもかもが違くて居心地が微妙…
なんとなくレイはサングラスをかけてしまった。
「さて…どこ行こう…前に悟と入った建物は……」
Googleマップで探しながら、ようやく着いたそのビルに入る。
主に、高級ブランドがこぞって入っているビルだ。
ここで前回、靴と財布を買ってもらった。
あの日は確か…このブラックカードで200万は余裕で使っていた…
それでもヘラヘラしていた五条を思い出しながら、レイは初めに視界に飛び込んできたシャネルに入ってみた。