第46章 domain
事態が終息し、何事も無かったかのような静寂に包まれた。
虎杖は何を話していいのかわからず、というかそもそもこの空気に耐えられず、なんとか一言だけ言葉を振り絞った。
「あの〜…俺もう行くね?
おつ…かれさま…っす……」
「…あぁ、お疲れ様、悠仁。
よしクマ野郎は僕と帰るよ」
「その前にタルト屋寄ってけや!」
「はぁ……はいはい。」
なんとも言えない苛立ちと焦燥感を感じながら、五条はクマと共に帰宅する。
脱力したようにソファーに横になり、とりあえずウーウー唸っている五条をよそに、クマはさっそくタルトを貪り食っている。
「んんん〜っ!うっめえこれぇ!!
おいお前も食えよ!こないだの△△店のよりうっまいぞ!」
「……僕が今のこの状況で食欲あると思ってんの?1口すら飲み込める自信ない」
スイーツには目がない五条からは信じられないような発言だ。
しかしクマは喋り続けている。