第46章 domain
沈黙が流れた。
「・・・」
「・・・」
「・・・」
しかもその沈黙は実に長く、約30秒間であった。
先に沈黙を破ったのはやはりクマだった。
「ってことだから、おいらは先帰るわ」
「は?…おいちょっと待てよクマ」
「あ?」
「え、なになにそれで?え、お前はなんにもせずにその場をスルーして戻ってきたってわけ?」
「そうだが?それがどうした」
「お…ま……。え、なんで?何考えてんの?
普通その場に割って入ってレイのこと助け出すだろ!今朝ちゃんと僕と約束したよね?!」
「んな約束はしてねぇよ」
「っはあ?!」
「お前はただ、レイのところへ行けと言っただけだ。だから行ったじゃねぇか。おいらはちゃんと約束果たしたろ。」
また沈黙が流れた。
そのあまりにも気味の悪い空気感に、虎杖はこの先を瞬時に察知し、顔を強ばらせる。