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walking proud~呪術廻戦~R18~

第7章 rival of life■


「…私…本気で人を殺しそうになったことがある」

五条の眉が僅かに動いた気がしたが、そのまま続ける。

「小学生の頃…虐められてたときに、そのいじめっ子の中心にいる男子を待ち伏せして、家から隠し持ってきた果物ナイフで刺そうとした…」

「…刺さなかったの?」

「うん。刺せなかった。すっごく憎かったのに…できなかった…やっぱ私って度胸ないんだよね…」

レイはそう言って自嘲気味に笑った。

「あのとき…ものすごく手が震えてた。ナイフがガタガタ揺れて、落としそうだった。足も震えてて…立っているのがやっとだった…」


手を見つめて俯くレイの顔に手を伸ばし、前髪を退ける。
潤んだ瞳が見開かれ、五条の瞳を真っ直ぐ捉えた。


「けっこー嫌な記憶思い出させちゃった感じー?」


五条の手が離れていく。


「…別に?そんなことないよ…もっともっと嫌な記憶なんていっぱいあるから。ていうか…それしかなかったし。」

薄ら笑って言うレイに、五条は真顔で言った。

「なぁ、それでその時… レイは泣いたの?」

「…え?」

「涙を流して感情を表に出したのかってこと」

普段の五条からは想像もつかないほど小さく静かな声だ。
レイはなんとなく目を逸らした。

「んー…泣いてないかな。あの頃から私、そうそう涙って出なくなったんだよね。いっぱい辛いこと経験して強くなったんだよ、多分。」
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