第45章 complexion ■
「私ね、好きも、大好きも、愛してるも、こんなにたくさん言われたの悟が初めてだよ…だからね、すごく嬉しいよ。でもね…ホントは私も…言いたい…」
「え?言ってよ。」
「ふっ、なんか悟を前にすると…
言いにくいんだよ。恥ずかしくて」
「は?意味わかんない〜!言ってよっ」
不貞腐れたように顎を掴んでくる五条にレイは視線を泳がせる。
「聞きたいよ…」
「…うん。」
「この可愛い口から…聞きたい…」
弱々しい声色で、唇を指で撫でられる。
レイは照れたようにゆっくりと言った。
「…好き、だよ。」
五条は嬉しそうに目を細める。
「僕も好き。でもねホントは…もっともっと上の言葉を言いたいし、聞きたいんだよね。」
「…じゃぁ大好き?」
「もっと上。」
「……愛してる…」
「もっと上。」
「………えぇっと……」
考え込むように視線を上へ向けるレイの唇をチュッと奪う。
「僕もわかんない。だから行動で示すしかないんだよね…」
その言葉に、レイは考えこんでしまった。
そっか…思えばどれもこれも、悟の愛溢れる行動だった。
私も寛容的にならなくちゃ。