第45章 complexion ■
「ちゃんと、僕を見てほしいんだ。僕だけを。」
「……うん。」
「僕は僕の愛し方でレイを愛したいんだ。」
「…うん。」
「でも僕頑張るからさ。デリカシーないところも、なるべく直すように頑張るから、だから、レイは僕のそばにいて?離れないで?」
レイは一瞬目を見開いたかと思えば直ぐに優しく微笑んだ。
「ふふっ…離れない!それに、悟はデリカシーはないけど、思いやりと愛情は誰よりもあるよ?誰よりも、愛があるよ。深くって、たまにこうやって溺れて、私も迷惑かけたり傷つけて困らせちゃうことがある。でも気をつけるから…だから一緒にいて?離れないで…」
五条の切なげに歪んだ表情も笑みに変わる。
「…離れるもんか。泣いても喚いても離れないからな。どう?怖いっしょ、僕。」
「怖いわけないじゃん。」
額を突き合わせ、互いに少し笑いあった後そのまま吸い寄せられるように唇が重なった。
互いが互いを求め、愛しているのが実感できる、濃厚で深く食むような口付けから2人の甘い吐息と短い声が漏れる。
「…チッ。なんでおいらが……」
皿やグラスと残骸を処理し、片付けと掃除を結局やるはめになってしまっているクマをよそに、2人の行為は徐々にエスカレートしていっている。