第45章 complexion ■
「ん……っ…ふ…ぁ…んんっ」
「…は……っ… レイちゃん…」
何度も角度を変えて、熱く艶かしい動きの舌が口内を蹂躙していく。
蕩けるような柔らかく官能的な口付けに体中からピリピリと電流が駆け巡る感覚がした。
「ん…っ…さとるっ…まっ、」
逃すまいとするように徐々に貪るような激しいキスに変わっていく。
「てめえら…よくこんな危なっかしいとこで…」
クマのその声で、五条は一気に理性を取り戻したらしく、瞬時に唇を離して自分たちの今座っている床に視線を落とした。
「…っ」
確かに…こんな破片まみれ血塗れの場所でこんなに熱いキスを交わしているなんて正気の沙汰ではない。
五条はすぐさまレイを横向きに抱きかかえ、ソファーに下ろし、瞬時に覆いかぶさった。
「っわ、ちょっと、」
「レイ、僕を見て」
真剣でいてどこか鋭くも見える玲瓏な瞳に見つめられる。
「さ、とる?」
五条の眉が少し弱々しく下がっていった。