第45章 complexion ■
「……僕さ、女々しい奴だから…
やっぱレイと…別れたくないんだ…」
「!!」
その言葉に息がつまり、咳き込みそうになった。
「っ!何言ってるのっ。わ、別れるなんてそんな!な、ど、どういうこと?」
「…え、だって…こんな僕だから捨てられてもおかしくはないから…。
すごい迷惑かけてるし、怒らせてるし、傷つけてるし…」
弱々しいその声と言葉に、レイは五条の胸の中でギュッと目を瞑る。
「ごめ…ん…謝らなきゃならないのは私だから…。そんな、別れるなんて言葉、言わないでよ。聞きたくないよ…。」
「……あ……ごめんね。」
「私の方こそごめんね…言っちゃいけないこといっぱい言って、悟をいっぱい傷つけたのは、私だから。」
五条の腕の力が強まった。
そして、耳元にフワッと息がかかる。
「… レイ」
「…ん?」
「チューしたい。」
「ふ、ふふっ、…うん。いいよ。」
スっと体が離れたかと思えば、思いのほか真剣な五条の青い瞳に真っ直ぐと見つめられる。
両頬を包まれ、ゆっくりと顔が近づき、レイが目を瞑ったのと同時に唇が塞がった。