第45章 complexion ■
「……痛いでしょ、レイ…」
「??」
意味がわからなくて、目を瞬かせる。
「…え?なんで私?私はどこも」
「怪我させちゃってごめん、なさい…。レイ姫」
「は?な…え??いや、私じゃなくて悟が怪我してるんだよ、ホント大丈夫?頭も打った?」
本気で心配しているその言葉に、
クマが盛大に噴き出す声が背後で聞こえた。
「…見えない怪我。レイの。」
「?」
「僕より痛い、でしょ。
でもレイが怪我すると、僕も痛い。すっごく。」
「…悟。…よくわかんないけどとにかく悟は今痛そうだよこれ。」
レイはゆっくりとバスローブから五条の手を離して、血が滲む傷の指を口に含んだ。
「っ……!」
自分の指をしゃぶるレイ。
五条は目の前の信じられない光景を驚愕の表情で見つめる。
熱い口内の舌がレロと傷口に這う。
「いっ…… レイっ…」
痛みを感じたのか、五条の手がピクっと動いた。