第45章 complexion ■
"僕は傑みたいにレイを甘やかさないから。"
……甘やかしてるじゃん。いつも。
…これでもかってくらいに。
"レイは傑の優しさに甘えてたし、傑も甘やかしすぎてたよ。
でも僕はあいつとは違う。
レイにはちゃんと自分の身を守る術を身につけてほしいって思ってる。僕が常に目を離さないでいるわけにはいかないし、むしろ離れてるときのが多い。だからもっとしっかりしてほしいんだよ"
……今なら、分かる。悟がどれだけ私のこと心配してくれてて、どれだけ私のことを考えていてくれてるのか…。
今、何考えてるかな…?
私のこと、許してくれるかな…
あんなことで怒って…私の方が子供だ。
寂しい…
ベッドに一人で寝ることほど切なくなることは無い。
いつもみたいに抱きしめてほしい。
いつもみたいにいっぱい笑わせてほしい。
愛を囁いてほしい。
いつもの明るくて元気な悟の笑顔が見たい。
でもどうしよ?
明日には私本当に冥さんのとこ?
ガチャン!!バリン!!ガタタッ!!
「え?!」
なに今の音?!
悟?!クマ?!
レイは考えるよりも先に体が動いていた。