第45章 complexion ■
僕はあいつじゃない。
いくらレイに好かれたいからって、
あいつになりたいともなろうとも思ったことない。
「もういい加減忘れてくれよ…あいつのことは…」
僕は、僕のままレイを愛したい。
僕という人間を見てほしいし感じてほしい。
だって今レイの1番近くにいるのは
僕なんだぞ…
なのに…なんで…
こんなに近くにいつもいるのに、
手を伸ばせばすぐ触れられる距離にようやく近づけたってのに、
自分が一番レイのこと知ってるはずなのに…
どうして彼女を傷つけてしまうんだろう?
どうして彼女の考えていることがわからなかったりする?
やっぱり僕にデリカシーがないから?
レイが言うように、無神経だから?
やっぱり僕がおかしい?普通じゃないから?
悲しみ、怒り、苦しみ、悔しさ、
よく分からない感情が絡まりあって
頭ん中がぐちゃぐちゃだ。
好きなのに…
ただ、好きなだけなのに…
大好きで大好きで、
すんげー愛してるのに…
もしかしてこの気持ちが重すぎてダメなのか…?
これが、1番の原因なんじゃ…
僕のこの…限界まで質量増してる
この感情の重みが…
レイのこと
今にも押し潰しそうになってるんじゃ…