第45章 complexion ■
そして気を取り直して夕食を食べ始める。
「う〜ん、ホント、レイは料理が上手くなったねえ」
「ふふふ〜でしょぉ〜♪」
「でも彩りがちょっとねぇ〜」
「え」
「だって茶色ばっかじゃない〜?」
レイは思わぬ言葉に、テーブルの上を凝視する。
確かに言われてみれば…
作り置きの野菜マリネ以外は全部茶色だ。
「あ〜…た、確かに…」
「ちなみに僕だったら〜肉じゃがに合わせる副菜なら……」
ペラペラとアドバイスを始める五条にレイは眉をひそめだす。
「あ〜、あと盛り付けはさぁ、例えば………」
盛り付けのダメ出しまでされはじめ、レイは適当に相槌を打ちながらも、内心ムッとしていた。
そして純粋に少し傷ついていた。
ほんっとに、デリカシーがないんだな…
繊細な乙女心をぜんっぜん分かってない…
黙って食べなさいよと言いたくなる衝動をグッと堪えた。