第45章 complexion ■
「はぁあ〜じゃあどうしたらいいわけぇ?」
「決まってんだろ。
"諦める" か "そんな相手でも愛おしく思う" か。
この2つしかねぇんだよ」
「ええぇ〜…」
「いいか五条。どんなに器用な男でもな、生物多様性論理にのっとって、直情的な女に惚れ、最後は諦めんのがオチなんだよ。
つーかてめぇも男ならな、いつまでも項垂れてんじゃねぇ」
「…はぁぁ〜……僕ってほんっと…バカ…」
「言ったろ。
惚れた女の前では男は皆バカだ。」
ってわけで、男は惚れた以上、惚れた女の性質をああこう言わず、あきらめてひたすら耐えることができるようにできてる。
そして耐えられるうちは「彼女のことが好き」。
そんな男性脳だから、ケンカになったとき腹立たしさは発露するものの、「折り合いをつけようとする会話」にはあまり乗ってくれないわけだ。
「わかってもらおう」と思っている女性からしたら、この会話がかみ合わない感じが腹立たしいわけだが。
つまり、男女が分かり合うなんつー幻想は幻想でしかねぇんだ。