第44章 Dearest ■ 【番外編】
レイは包帯などを片付けながら何事も無かったかのように言った。
「悟は用事終わったんだ?」
「うん、終わったから戻ってきてみたらびっくり。密室で男子生徒と2人きりってのは御法度だよねえ」
「え?なにそれ?別にやましいことしてるわけじゃないんだから」
「いやいや異性2人きりでの密室状態は絶対だーめ。犯罪」
そんなことを言いながらギュッと抱きしめて顔中に口付けてくる。
「っ…じゃあこれも犯罪じゃ…ていうか、ここはイチャつくとこじゃないってさっき悟が言ったんじゃん」
「僕らは愛し合ってる関係なんだからいーの♡」
「・・・」
どうやらまたよくわからないヤキモチを妬いているようだと察したレイは、とくに何も言わずにため息を吐いて部屋を出ようとする。
そもそも治療していただけだし、そんなことを言っている場合ではなかったわけだ。
とても理不尽に感じてしまった。