第43章 MY ALL
するとたちまちレイの目から涙が溢れ出した。
魘されてる…
夢に魘されて涙を流しているところなんて、
あの日以来初めて見た。
僕はゆっくりと涙を吸い上げてから震えている唇にキスを落とした。
塞がれた口から嗚咽は止まった。
「目、覚まして…お姫様…」
もう一度…
100年の眠りから…
100年の呪いから…
目を覚ましてくれよ。
僕のために…。
ゆっくり唇を離すと、涙を流しているその瞳が開いていた。
「さっ…とる…」
「レイ…大丈夫だよ」
僕はギュッとレイを抱きしめた。
「うっうぅ…悟…悟…」
すがりついて泣きじゃくるレイ。
「大丈夫…大丈夫…僕がいるから…ずっと…
ずっと…レイのそばにいるよ…だから大丈夫…」
大丈夫
大丈夫
いつも君の傍には僕がいる
抱きしめながら何度も大丈夫と囁いて、髪を撫でる。