第43章 MY ALL
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その夜、レイの体調がまだ戻っていないことを考慮して、五条は彼女に触れないでいた。
彼女の寝顔をジッと見つめる。
寝てくれてよかった。
でも僕はどうにも寝付けない。
レイが意識無くしたとか聞いて、僕は本気で取り乱しそうになった。
心臓がおかしいくらいに暴れていて、頭がフラフラして、体中が震えた。
七海にめちゃくちゃ謝られたけど、
別に七海のせいじゃないし。
硝子も顔面蒼白にして焦ってたけど、
どこをどう調べてもなんともなかったみたいだし。
本当にレイ…
どんな幻覚幻聴にやられてたんだろ?
でも昔、高専時代にも、
傑と僕と3人で行った任務でこんなことあったよな。
やっぱりその手の呪霊には弱いみたいだ。
今後は絶対何があってもその類には近づけないようにしよう。
レイの寝顔をじっと見つめながら髪を撫でていると、徐々にレイの顔が歪んでいき、呼吸が荒くなっていった。
「??…レイ?……ねぇ、レイ?」
「ぅ…っ…ん…は…ぁ…っ」
「… レイどうしたの?…ねえ…っ」
レイの頬に手を添えながらもう片手で彼女の手を握る。