第43章 MY ALL
パチッ!
と目の前で何かを弾いた音がした気がして薄ら目を開くと、
彼が驚いたように目を見開いて伸ばした手を見つめていた。
「…君…妙なものを持っているね…」
…?
今自分が持っているものなんて何も無い…
ペンダントだってしていないし、
強いていえば両耳につけている大量のピアスたちだけ…
レイはハッとしたように冷や汗を流した。
いや…
持ってる…
京都でクマから貰った、
あの御札を…
「対処法を考えておかなくちゃ…
次会った時は、今度こそ君を……」
彼が何かを言っているのが聞こえた気がしたが、
レイは意識を手放していた。