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walking proud~呪術廻戦~R18~

第43章 MY ALL




「…っ、待って!」


懇親の力で彼の胸元を掴んだ。


「あの言葉…言いたかったな……」


「え……?」


「でもやっぱり…言わなくてよかった…
そんな呪いを君にかけたら…きっと君は優しいから、悟と幸せになろうとしていなかったよね…」


耳元の儚げな囁きは、今まで聞いてきた彼のどの声よりも切なく響いて、涙が止まらなくなった。



「でも…本当は言いたかったんだ、いっぱい…
それだけは分かってくれ。」




顔を上げると
眉をひそめて悲しげな笑みを浮かべた
彼の顔が目と鼻の先にあった。



「もっと君と一緒にいたかった…っ…」



彼の目には零れ落ちそうなほど涙が滲んでいた。



温かくて優しい手が、ゆっくりと近づいてきて
レイの涙を拭った。

初めて彼に涙を拭われたと思った。

その瞬間に頬を伝った彼の雫を
今度はレイが拭った。




「… レイ…ありがとう。」




あの頃の、大好きだった
その優しい笑みで笑いかけてくる彼に
ハッと目を見開いた瞬間、

何事も無かったかのように先程の光景が広がっていた。
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