第6章 Teddybear
「私のことを姉様〜とかママ〜とか呼んでくれるような性分だったらもう最っ高に完璧なのになぁ〜…」
そう呟きながら、まだ五条と激しく口喧嘩しているクマをおもむろに抱き上げる。
「離せぃっ!こらっ!まだあの白髪頭に言いてぇことがっ」
「ダメだよ、クマ。夜蛾先生のとこ行かないと」
「私も行くよ、レイ。」
夏油も横に並んで歩みを進める。
五条はクマにべーっと舌を出した。
「今度森のくまさんって歌教えてあげるよ〜!お前のその小さい脳みそにしっかり叩き込んで可愛いクマ目指しな!」
「てめぇ覚えとけよ!クソメガネバカ!こっちがてめぇを躾直ししてやるわ!」
レイも夏油も呆れて何も言えなくなっていた。
そして夜蛾にたどたどしく正直に経緯を報告する。
なんだか妊娠報告をしているみたいで妙な緊張感に包まれレイは顔が熱くなっていた。
「うーむ…なるほどな。まぁだとしてもこのクマの性分は、お前たちに似たとかそういうんではないはずだから安心しろ。」
2人の不安そうな表情を見て心中を察しそう言った。
よく親にありがちな、この子はどちらに似たの!なんて口喧嘩をしてほしくない。
そして恐らくこのクマはパンダと生まれ方が違うため、突然変異呪骸と言うのは少し違うだろう。
2人の違った質の呪力や別の何かがうまいこと混ざりあってできたのなら突然変異というよりもむしろもっと珍しい存在な気がする。