第19章 バレンタイン
2月に入り、バレンタインの季節がやってきた。
今年は何作ろうかなとレシピを検索しながら考える。
あげる物にも意味があるってクラスの子が話してたっけ...
百には本命あげてもいいよね...たぶん、意味なんてわかんないだろう。
何作るか材料を人数を計算しメモして、紡と一緒に買い物へ。
「お姉ちゃん、バレンタインにあげるお菓子作るんだよね?教えてくれる?」
「いいよ。誰にあげるの?クラスの子?」
「お父さんと悠斗くんだよ。あとはお姉ちゃんにもあげるよ!」
「ありがとう。帰ったら一緒に作ろうね!」
紡は本当に優しくて良い子だよ...
クラスに好きな子とかいないのかな...
自分はと言うと、万と千と百、叔父さんとお父さんと悠斗と紡、陸と天、ライブのスタッフの人たち他...うん、毎年のことながら今年もだいぶ多いですね...
家に着くとさっそく作業に取りかかる。
数が必要だから作るのも結構大変...
紡にはみんなにあげるマフィンの作り方を教えてあげた。
「紡も作るの上手だね。あとは焼けるの待つだけだよ」
「お姉ちゃんはたくさん作らないといけないから大変だね」
「そうだね・・・でも普段からお世話になってるからね」
そう話してると、マフィンが焼き上がった。
「わぁ!美味しそう!」
あとは冷ませば出来上がりだ。
まだ他にも作らないといけないから、あとで一緒に食べる約束をして、また作業を続ける。
スタッフ用にはチョコマフィンにして、万と千や身内には違う種類もあげることにしてる。
百には、もちろん別な物を用意している。
良い感じに出来上がり、トッピングも可愛い感じに仕上げる。
それぞれを箱に入れて大事にその日まで保存しておこう。
スタッフ用のラッピングは紡も一緒に手伝って包んでくれた。
やっと全員分作り終わり、一段落したところで作ったお菓子を交換して紡とお茶を楽しむ。
「お姉ちゃんの美味しい!」
「紡のも美味しいよ!叔父さんも喜ぶね!」
紡は不安がっていたけど、叔父さんなら絶対に喜ぶに決まってる。
大丈夫だよと安心させた。
陸と天、お父さんと悠斗には当日会えないから前の日に行くと連絡を入れている。
久しぶりに会った2人は元気そうで、陸も入院することも減ってきたと聞いて安心した。
「お姉ちゃん、今年もバレンタインありがとう!」