第18章 ライブスタッフ
それからも、モモくんの態度は変わる事はなく...
僕だけがちゃんと話せない状態が続いている。
「あのファンレターはモモくんじゃなかったのかな・・・僕が話しかけてもすぐ逃げちゃうし・・・」
「バカ。あの手紙はちゃんと百くんが書いたやつだよ。俺たちのライブ誰よりも楽しそうに見てくれてるじゃないか」
「まぁ、そうね」
「百に苦戦してる千は少し面白いけどねー」
「こらっ!千も悩んでるんだぞ?」
万に怒られました...
まぁ、確かに可哀想だよね...百は万よりも千が好きだから余計緊張しちゃうんだろうけど。
「あの手紙は僕を変えるきっかけになったから、ちゃんと話してみたいんだけどな・・・」
「ほら、千って無駄に格好いいから百も緊張してるんだよ。雰囲気とか無表情だと怖いし・・・」
「確かにそうかもな。男から見てもそうだぞお前」
「もう少し柔らかい雰囲気で普通に話しかけてみたら?千も意気込んで話しかけようとするからダメなのかもしれないよ?」
「千も緊張してたのか?」
「緊張っていうか・・・気合いも入るっていうか・・・」
七桜の好きな相手かもしれないから尚更...
「あの千がね・・・まぁ、七桜の言う通り、そんな意気込まないで気軽に話しかけてみなよ。百くん緊張してるけど、気さくで良い子だぞ」
「僕も仲良くできるかな・・・」
「大丈夫だよ。百だって千と話したいと思ってるはずだよ?今は緊張が勝ってるからできてないだけで」
ライバルと仲良くなるなんて、普通はおかしいのかもしれないけど...
あの手紙を書いてくれたモモくんとは仲良くなってみたいんだ。
七桜は誰にも渡さないと誰が相手でも負けないとは思ってる。
でも、モモくんには何か不思議な力があるような気がして...それが何なのか確かめたいんだ。
「でも、千が自分から仲良くなりたいなんて・・・成長したんだね」
「そうだな。あの千が・・・」
「僕の事、何だと思ってるの?」
そう言うと2人は人間関係皆無だとかコミュ力0とか次々とヒドいことを言う。
「ねぇ、さすがにヒドくない?」
そう言って3人で笑い合う。
こんなに心を許してるのは2人だけだ。
ライブ前だというのに、Re:valeの楽屋は今日も楽しくて賑やかだ。
こうして一緒に過ごす時間も僕は好きなんだよね。